では、ライトノベルはどうなのか、という話
今回の粗筋
ライトノベルには「ライトノベルはこうでなければならない」という規範が稀薄*1であり、また、先行作品との関係性も稀薄*2である。
ライトノベルが、その属性*3において、ゆるやかなまとまりをもつのは確かだが、そのまとまりを「ジャンル」と呼ぶことに抵抗があるのは、上記の事情による。
とはいえ、ライトノベルはジャンル小説ではない、とか、「ライトノベル」はジャンルではない、とか言い切るのにも少し躊躇する。「ライトノベル」という呼称により、ある程度の制度的固定化が行われ、批評や分析の対象となりつつあるということは、ライトノベルのジャンル小説化を示している。他方、ライトノベルを特徴づける諸属性のうちのいくつかをもたない作品が続々と生み出されている。