ミダス王と床屋の一人二役

え〜、なんでこの本を読んだかと申しますと、執筆陣の中に「谷川流」という名前を見つけたからでありまして、それ以外の理由は全くないのであります。従いまして、発売後一ヶ月を経た今になっても谷川流パート以外は未読でありまして、今後読む予定もありません。
なんという無駄! もったいない!
そう仰せになられる方もおられようかと存じますが、こんな本の読み方は今回が初めてでは御座いません。たとえば、『太陽の簒奪者 (ハヤカワJA)』は谷川流が書いた巻末解説*1だけ読んで、本文を読まないまま本の山に埋もれてしまいました。いえ、本文を読む気が全くなかったというわけでは御座いませんで、なんとなく放置している間にその機を失ってしまっただけでありますから、世の野尻抱介ファンの方々のお目こぼしを賜りたいと存じます。
もう一つ、極端な例といたしましては『狼と香辛料 (電撃文庫)』をオビに寄せた谷川流の推薦文のためだけに買ったこともありました。今、字数を数えてみますと、55文字でした。これは句読点込みの字数であります。もちろん、こちらも本文は一切読んで御座いません。さすがに、これはちょっとやりすぎだったかと思わないでもありませんでして、この本の購入に用いた金子は言わずもがな、本の置き場所に大変苦慮している次第で御座いましたが、熟考に熟考を重ねた結果、非常に簡単な解決方法に思い至ったので御座います。そう、オビは本から取り外せるのです。今では、『狼と香辛料』のオビだけ外してファイリングしてあります。
ああ、ファンの業がこれほどにまで深く、罪深いものとは!
さて、このたびの『撲殺天使ドクロちゃんです』(の一部)を謹んで拝読いたしまして一つ発見したことが御座います。それは、「谷川流はミダス王と床屋の一人二役を演じている」ということであります。
ああ、この文体面倒だ。もうやめた。
で、結局何が言いたいかといえば、こういうことだ。

スニーカーにおける谷川流
手に触れるものがすべて金にかわる。
電撃における谷川流
穴を掘って、それに向かって言いたいことを言う。

それだけ。
あ、この文章にはいくつか嘘が混じっているので、本気にしないように。

*1:実はこの本には「解説」と名のつく文章が別にあり、谷川流の文章は「コラム」と題されている。