耳と尻尾のある話

貂の家。 (ビッグコミックススペシャル)

貂の家。 (ビッグコミックススペシャル)

先日、ちょっと独特なマンガに詳しい知人の鶴屋氏または亀屋氏*1お薦めのマンガ本を大量購入した。そのうちの一冊。この日記では感想文を書かなかったが、数ヶ月前に鶴屋氏の薦めで買った『ムーたち(1) (モーニング KC)』が非常に面白かったので、それと似た感じのマンガを所望したところ、薦められたのがこれだった。
*2
さすが、ケモノ耳スキー*3、ネコ科イヌ科に飽きたらず、とうとうイタチ科にまで行き着いたかっ! でも、鶴屋氏ほどケモノ耳に愛着があるわけではないので、あまりそそられない。まあ、せっかくだから鶴屋氏の顔を立てて、買ってやろうか……などと不遜なことを思いつつ、この本をレジに持って行った。
……ごめんなさい。耳とか尻尾とか、そんな表面的なレベルではなく、より根源的なところで魂を揺さぶる傑作でありました。
なんという奇想!
なんというユーモア!
意表をつく第1話から衝撃の最終話まで、ファンタジーは疾走し、常識は失踪し、ひとたび本を開くや否や、読み終えるまで決して本を閉じることができない、そんな恐るべきマンガだ。
ムーたち』も凄いが『貂の家。』も凄い。今、日本マンガ界はきっと黄金時代を迎えつつあるに違いない。
ああ、生きていてよかった。
面白いマンガに出会えてよかった。

*1:なぜ名前が二つあるのかについては、この記事を参照のこと。いちいち「鶴屋氏または亀屋氏」と書くのは面倒なので、以下は「鶴屋氏」に統一する。

*2:常用漢字ではないので読めない人もいるかもしれない。「テン」と読んでください。

*3:鶴屋氏のケモノ耳への藍については、ネコ耳ってどんなこと?―とっても萌えたいケモノ耳入門を参照のこと。