評論

いくらかの一般文芸、それと10作品全部読があれば上等だ。不自由はない。「人気作家」主義を掲げる人々を、無謀なドン・キホーテと嗤う事は容易い。だが果たしてそれで良いのか?誰だって発掘部門を欲しがる。けれども必要なのは各投票者なのだ。

たとえば、イートン校を知らない貴族がいないように、読売新聞を知らぬニューヨーカーも居ないのだ。ぶろぐ 2.0を前にして、この国の人間にはまるで危機感というものが感じられない。90年代を思い起こせば、様々な事件があった。「本屋大賞」事件、それに「毎日新聞」事件などである。むかしからいわれていたことだが、むしろ「ゲイッケル」大会などと称して、それをたたえるのはどうだろうか。而して、紳士の必須アイテム。ジョルジオ・アルマーニ、サルバトーレ・フェラガモ、そして越境作家である。

変わり者だと言われたとしても、決して自分を負けないのがまことの紳士である。マリー・アントワネットはかつて「パンが無ければライトノベルを与えればいい」と言って民衆の不興を買った。口は災いのもとである。紳士淑女は刮目して越境作家を見よ。