まるでアール・ブリュットのような
- 作者: 安福良直
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/11
- メディア: 新書
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さて、『世界最大の虫食い算』は、高校時代に『推理学校虫食い算大会』*1に出会った安福良直氏が虫食い算の魅力にとりつかれ、とうとう20000桁の虫食い算を作成するに至った経緯の記録だ。その「世界最大の虫食い算」は非常に大きく嵩張るため、この本のオビに写真が掲載されているのみで、残念ながら問題そのものは掲載されていないるしかし、巻末に31ページにわたってこたえが掲げられているので、そこから問題を復元しようと思えばできないことはない。興味のある人は挑戦してみるといいだろう。
安福氏は「世界最大の虫食い算」作成後、「パズル通信ニコリ」に送りつけ、その後、ニコリに入社して、今や「パズル通信ニコリ」の編集長を務めているという。一冊の本が一人の人間の人生を決定づけたことになる。一方、安福氏と同じく高校時代に『推理学校虫食い算大会』を手に取った安眠某という人物は「わっ、著者が佐野昌一で序文を書いてるのが林髞だ。すごいすごい」と、どうでもいいことに感心しただけで、虫食い算を一問も解いてみようとはしなかった。お粗末様。
ちなみに、『推理学校虫食い算大会』に序文を寄せた林髞は、今はなきカッパ・ブックスのベストセラー『頭の体操』*2のカバー折り返しの推薦文も書いている。それを知った時には「なぜこの人がこんなところで……?」と疑問に思ったのだが、調べてみると林髞自身もカッパ・ブックスから『頭のよくなる本』という本を出してベストセラーになっていたので、その辺りに繋がりがあったのだろう。
さらに脱線するが、木々高太郎 - Wikipedia経由で頭脳パン - Wikipediaという愉快な記事を見つけた。すごいすごい。
*1:リンク先データは1977年の改装版。安福良直氏が手に取った本がこの版かどうかはわからないが、たぶん1983年当時この版がもっとも入手しやすかっただろう。なお、この本のヴァージョンについてはWhat is Mushikuizan Taikai?を参照のこと。
*2:たぶん第1集だったと思う。