一週間の命の「予想」も時間が経てば貴重な史料になる……かもしれない

 ぼくのアニメ視聴は、原則としてTVその他の放映が終わっている(完結している)ものをまとめて借りたり買ったりして一気に見る、というやりかたなんですが、それが面白かった場合は、ネットで他の人の感想を拾って、再視聴するわけです。多分そういうのはアニメ見る人間としては少数派なのかも知れず。たいていのアニメ感想サイトは、放映中が感想のピークで、話の流れを追いながら、話の展開を予想するようなテキストつきで何か言ってる。

 この、完結してから見る、というぼくの見方に一番邪魔なのが「話の展開を予想する」(予想している)ネット上のテキストで、どうにもこうにもこれほど無駄に思えるテキストはないね。「次は○○が××になる予感」なんて、予感テキスト書いても一週間の命しかないですから。読むほうの身になってみやがれ。

 ちょっと堪忍して欲しい、と思ったのは「話の展開を予想するようなテキスト」で、要するに「来週は○○が××しそうな予感」みたいな奴。ライブで「今週の○○はよかった」「萌え〜」と言っているようなのは、違和感を感じることはあっても抵抗感があるわけではない。テキストとしての価値が、「来週」の「自分」までにしか意味のないようなものを書くのは、書く側にも読む側にも時間の無駄に思える、ということですね。

原文には何ヶ所か強調しているところがあるが、面倒なのでベタコピペした。
さて、アニメの感想サイトの「次週の予想」について、それが書かれた意図に忠実に読むなら*1、なるほど1週間経てば全く意味がなくなることだろう。だが、その「予想」は後から読み返したときに別の価値を持ってくるのではないかとも思う。
たとえば、「涼宮ハルヒの憂鬱」という有名なアニメ*2がある。このアニメを実際にみたのは放映終了後DVDになってからだったが、ネット上のあちこちで話題になっていたので、例の「話数シャッフル」とかの予備知識をもってみたため、全く白紙の状態で鑑賞することはできなかった*3。そのような「遅れてきた視聴者」にとって、リアルタイムで「ハルヒ」をみた人の感想文は非常に興味深いものがある。それらの感想文の中には、次回の予想も含まれているのだが、後から予備知識をもってみたのでは決して抱くことができないものもあり、「なるほど、リアルでみていた人にはシリーズ構成の全体像がわからなかったから、こんなことを考えながらみていたのか」と関心したものだ。これはまあ「ハルヒ」というアニメの特殊性も多分に作用しているのだと思うが、他のアニメでも多かれ少なかれそういう要素はあるのではないか。「来週は○○が××しそうな予感」というような、あまり内容のない予想でも、その当たり外れを知った上で読んでみると、それなりには興味深いのではないかと思う次第。

参考

「横田 順」という表記が気になるが、それはまた別の話。

*1:すなわち、未来についての予想として読むなら。

*2:原作の小説版やマンガ版もあるが、ここではアニメに話を限定する。

*3:原作は全部読んでいるから、いずれにせよ白紙状態でストーリーを楽しむことはできなかったわけだが、ここで言っているのはアニメ独自要素のこと。