続・「讃岐の阪急」にLRVが走る日は来るか?
「讃岐の阪急」にLRVが走る日は来るか? - 一本足の蛸の続き。
各案は▽A案・琴電を現状維持してLRTを同時に運行する▽B案・琴電を現状維持してJR高松―仏生山間をLRT▽C案・琴電を瓦町始発とし、JR高松―仏生山間をLRT▽D案・琴電を仏生山始発とし、JR高松―仏生山間をLRTに一本化―の四つ。LRT用に7つの新駅を設けて利便性アップを図る。
ああ、「LRTありき」で話が進んでいるんだなぁ、やっぱり。
詳しいことはわからないが、C案とD案では高松築港と琴電琴平の間の直通運転をやめて乗り換えを強いるということになるので、乗車区間によってはサービスダウンになるのではないか。なぜ、LRV*1を琴電に走らせる必要があるのか、その理由はあまり明確ではない。琴電の各駅にスロープを設置してバリアフリー化し、駅間距離の長いところは新駅をつくり、高松築港駅からJR高松駅まで新線を建設してシームレス化を図る*2というのではいけないのか?
それではいけないのだ、ということになっているらしい。
高松市総合都市交通戦略検討協議会の前回の会議録【PDF】に、とある委員*3の次のような発言が記されている。
私たちは決して,LRTを走らせれば良いと考えてはおらず,あくまで核となる公共交通手段だと思っている。その核をいかに活かしていくかというのは,タクシー,バス等の既存交通施設との結節をいかに行っていくかだと考える。JR 高松駅と琴電の状況は,決して便利が良く,市民の立場に立っているとは言えない。その解消のためには,琴電が中央通りを横断しなければならないが,現状の琴電では,中央通りを横断できないと,国土交通省の担
当者から聞いている。LRTであれば,信号処理で横断が可能だと聞いているので,LRTを提案している。
現状の琴電では,中央通りを横断できない?
いや、そんなことはないでしょう。踏切をつくればいいだけなのだから。
もちろん、今の中央通りに踏切を作ったら交通渋滞が発生して困ったことになるのは確かだ。でも、ここで議論しているのは現状の道路交通をそのまま前提とした話ではなかったはず。公共交通機関の利便性向上とひきかえに道路交通を抑制するということではなかったのか。逆に、道路交通の抑制なしに路面に軌道を敷設したなら、LRTだろうが何だろうが交通に混乱を招くことは避けられないだろう。
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もしかすると、琴電の電車は高松駅に乗り入れできないがLRVなら可能だという別の理由があるのかもしれないが、高松市総合都市交通戦略検討協議会のページにはまだ第4回会合の資料や会議録が掲載されていないので詳細はわからない。そのうちアップされるだろうから、注意しておくことにしようと思う。
*1:記事では一貫して「LRT」という言葉が用いられているが、本格的に琴電のシステムを変更してLRT化するというより、既存のシステムを手直ししてLRVを走らせるという感じなので、前回に引き続き「LRV」を用いることにした。
*2:実際には線形や駅構造物などの関係から、現在の高松築港駅からそのまま線路を先に延ばすのではなくて、高松築港の片原町よりから新線を建設することになるだろう。
*3:この会議録には単に「委員」としか書かれていないので、どのような立場からの発言なのかがわからない。発言者の氏名をきちんと書いていない会議録には資料としての価値が乏しいと思うのだが、誰が言ったのかを表に出せない理由でもあるのだろうか?