店じまいに向かって

人生を商売に喩えるなら、そろそろ店じまいのことを考えなければならない時期にさしかかってきたように思う。無限の可能性と無限の未来に心弾ませる段階はもはや過ぎ去った。職業や家庭、社会的地位など、さまざまな面で抱いていた望みのほとんどは潰えた。もはや永久に達成できる見込みはない。この事実から目をそらさずに、かつ、過度に自虐的にならずに、残された時間を消化していかなければならない。
さしあたり、趣味生活の面から見直しをはじめようか。
鉄道趣味は日本全国全鉄道完乗を果たして一段落したところだ。新線は機会をみて乗りに行けばいい。
では読書はどうか。もはや読みきれないほどの本を積み、さらに日々多くの本が生産されている。分野を絞ったところで網羅的、あるいは分野全体の動向を掴むような読みはできない。そのような拘りは捨てるべきだろう。拘りと同時にかなり多くの他のものを捨てることにはなるけれど。
読書以外の趣味も縮小しなければならない。たとえばこの日記の更新など。
最後に何が残るのか。何も残らないのか。さてさて。
ところで全然別の話だが、昨日*1森美術館へ行ってきた。一昨日の横浜美術館についで、ある意味で「濃い」*2展覧会だった。横浜美術館は月曜日でも開いているから行ったのだし、森美術館は年の瀬でも開いているから行っただけなのだが、期せずして趣味の一端が出てしまったようだ。
もちろん、そっち方面の趣味を今後伸ばしていく予定はない。店じまいは近いのだから。

*1:というのはもちろん12月29日のことだ。

*2:これは婉曲表現。ストレートに書くと悪口だと誤解される恐れがあるので控えておく。