LRTの次はBRT?

新潟市がBRTの導入を目指しているらしい。

新たな公共交通の導入を検討している新潟市は、2014年度までに、市中心部に専用車線を走る2両編成の連節型バス「BRT」(Bus Rapid Transit)の運行を目指すことを盛り込んだ基本方針をまとめた。新潟駅白山駅間を走らせ、運営は新潟交通新潟市)に任せたい考えだ。13日の市議会全員協議会で説明する。

この書き方だと、連節バスがBRTだという誤解を招くのではないかと思う。
「BRT」とは輸送システムの名称だが、システムは目に見えない。目に見えないものを目に見えるもので説明するのは「わかりやすい」が、偶像崇拝に陥る危険もある。ちょうど、「LRT」が低床型路面電車のことだと誤解され、矮小化されたように。
まあ、新聞記事にあまり目くじらを立てても仕方がない。市の検討委員会*1の委員長である横浜国立大大学院中村文彦教授は、その筋の専門家だから、東日本大震災被災地で検討されている名ばかりの「BRT」とは違って、ちゃんとしたBRTを考えているのだろうと思う。

バスでまちづくり―都市交通の再生をめざして

バスでまちづくり―都市交通の再生をめざして

以前この本を読んで、バスの可能性の豊かに感心したことがある。それ以降、それまでLRTに抱いていた幻想を自分の中で相対化することができた。非常に貴重な読書体験だった。
というわけで、新潟市のBRT導入構想に頭から反対する気はない。連節バスを導入するほどの需要があるのかどうか気になるところではあるが、その辺はちゃんと考えた上なのだろう。まさか、見た目が珍しいから観光客誘致の起爆剤になる……などという思いつきによるのではないだろうし。

*1:というのは新たな交通システム導入検討委員会を指しているのだと思う。