退屈とは挫折のこと

何かの本で幕末か明治初期に書かれた文章が引用されていて、そこに「退屈」という語が出てきていた。註釈がついていて、「くじけること」と書かれている。
はて、「退屈」といえば「ひまをもてあましてあきあきすること」ではなかったか?
だが、すぐに気づいた。字面をみれば「退」と「屈」、すなわち「しりぞき、くっする」だ。きっと、もともと「退屈」は「挫折」に類する意味の言葉だったのだろう。今ではそんな意味で使う人はいないが、150年前には字義通りの意味が通用していたのだ。
旗本退屈男』や『涼宮ハルヒの退屈』の「退屈」を「挫折」に置き換えたらどうなるか、とそんなどうでもいいことを思ってみたりもした。
この話には特にオチはありません。