またもや凄い結果

ミステリ既読調査2005に続き、また米澤穂信が1位を獲得した*12006年上半期ライトノベルサイト杯軽量版)では惜しくも耳と尻尾の差で破れた*2が、さすがにミステリに絞ったアンケート*3だと米澤穂信の強さは歴然としている。法月綸太郎乙一も全く歯が立たない。
以前からの持論なのだが、この結果を見てますます強く思ったことがある。それは、「それぞれの投票者がどの本を読み、どの本を読まなかったかのデータのない人気投票は統計的には価値がない」*4ということだ。ベスト10*5の作品の版元を見ると、文庫で出ているのは『夏期限定トロピカルパフェ事件』だけ*6で、他の諸作、とりわけ講談社ミステリーランドから出た2位と3位作品よりも読んだ人が多いだろうと想像はできるのだが、その想像を裏付けるデータがない。そのデータがあればいろいろ分析ができて楽しいのになぁ。
ともあれ、最近のいくつかのネット投票企画を見ると、米澤穂信はネット読書系コミュニティ*7においては圧倒的な支持を集めていることがわかる。これがネットだけの特異現象なのかどうかは、今年の年末に公表される活字媒体での各種ベストで明らかとなるだろう。大いに興味をそそられるところだ。
なお、現段階ではデータ不足のため、これ以上の分析は行いません。

*1:このときの結果についてはここでコメントしたので併せて読んでくださいな。

*2:このときもコメントしている。我ながら物好きなことだ。

*3:だが、それでもやっぱり『狼と香辛料』(33位)『狼と香辛料2』(42位)に投票した人がいる。う〜ん。

*4:この企画を非難しているわけではないが、批判と捉えて頂いても結構だ。

*5:9位が4作あり全部で12タイトルだから「ベスト10」と呼んでいいのかどうか迷うが、この迷いによって論旨に影響が出ることはないだろう。

*6:新風舎ことりのほんばこ」というのがあるのは知らなかった。もしこれが文庫版だったらすみません。

*7:これは今思いついた言葉だ。「そんなコミュニティがあるのか?」とか、「ミステリ読みとラノベ読みだけが読書家じゃないだろう」とか、いろいろツッコミどころがあると思う。