送別会からの脱出

3年間続けた仕事を月末でやめることになった。思えば、前の会社も前の前の会社も3年しか勤まらなかった。いや「3年も勤めた」というほうが適切か。いずれにせよ3年ごとに会社を渡り歩いてきたという事実に違いはないのだけれど。
今の職場を離れて、来月からは新天地(?)へと向かうことになる。そこで送別会が開催されることになった。その種の会は大嫌いなのだが、主賓ともなれば欠席するのも難しい。立つ鳥跡を濁さず。義理を果たすべく苦痛のひとときを過ごした。
一次会が終わって解放されるかと思えば、今度はバーだかスナックだかクラブだかしらない場末の酒場で二次会ときた。バーだかスナックだかクラブだかしらない酒場には、前の前の会社にいるときに一度だけ足を踏み入れて、こんなところに二度と来るものかと堅く心に誓ったが、その誓いを破らねばならぬ日が来たのだ。もううんざりだ。
酒は飲めないのでウーロン茶を頼んだが、気になって口をつける前に匂いをかぐと、明らかにアルコール臭がする。混じっている酒の種類まではわからないが、少なくとも純粋なウーロン茶ではない。こんな代物、飲めるものか。
酒場など、みんな潰れてしまえばいい。
酒場に集う者など、みんなちりぢりになってしまえばいい。
場を呪い、人を呪い、そしてそれらを呪う自分をも呪っているうちに時間だけが過ぎていく。作り笑いにも疲れてきた。
一瞬の隙を狙い、なにかの弾みで隣の人が立った瞬間に、さっとその場を飛び出して、そのまま逃げて逃げて逃げて逃げて、終電間際の駅に駆け込んだ。
いろいろあった。
大変な一日だった。
もういやだ。