デザインの良し悪しを決めるのは本の売り上げじゃない

 そもそも本における「いいデザイン」とは何か。かっこいいデザインか。かわいいデザインか。読者の立場から見れば、それらはひとつの解答になりうるだろう。しかし、本を1個の「商品」として考えると、答えはただ1つしかない。「売れるデザイン」だ。*1

 本は単なる「芸術品」ではない。そういう側面があるのは否定しないし、自分も読者の立場からはそういう側面を大事にしたいと思っているけれど、売る側=出版社にとって本は何よりもまず「商品」だ。商品の価値を決めるのが「売れるか売れないか」であることは言うまでもない。そして、デザイナーにお金を払っているのは読者ではなく、売る側――出版社である。デザイナーに求められることは、売り手の意図を汲み、与えられた素材(イラスト)を、見たものが手に取りたくなるような形に加工すること。その結果「かっこいい」「かわいい」デザインができたとして、それはあくまで結果でしかない。

 ただ「かっこいい」「かわいい」だけのデザイン――「デザインのためのデザイン」は、「商品のためのデザイン」とは必ずしも一致しない。デザインを評価しようとするなら、まずはこうした視点を持つことが必要だと思う。

デザインは単なる「本のオマケ」ではない。そういう側面があることは否定しないし、自分も出版社の立場ならそういう側面を大事にすることになるだろうが、デザインを売る側=デザイナーにとってデザインは何よりもまず「商品」だ。商品の価値を決めるのが「売れるか売れないか」であることは言うまでもない。そして、デザイナーにお金を払っているのは読者ではなく、売る側――出版社である。デザイナーに求められることは、売り手の意図を汲み、与えられた素材(イラスト)を、出版社が本に採用したくなるような形に加工すること。その結果本が売れたとして、それはあくまで結果でしかない。「商品としてのデザイン」は、「商品のためのデザイン」とは必ずしも一致しない。デザインを評価しようとするなら、まずはこうした視点を持つことが必要だと思う。

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*1:【原註】言うまでもないことだけれど、これは別に本に限った話ではない。