「起爆剤」は「不発弾」のもと

観光業「大東エンタープライズ」の工藤徹社長(61)は、最寄りの筑後船小屋駅に関西との直通便3本が乗り入れるダイヤに「観光業界には大きな起爆剤。町おこしにつながるチャンス」と喜ぶ。

筑後船小屋駅*1を最寄りとする観光地をご存じだろうか?
今、引用した文章の直前に「川下りやウナギなどを観光資源に筑後地区の一大観光地を担う」と書かれているのだが、その市の名前を聞いてもピンとこない人も多いだろう。
それはともかく、最近よくニュース記事などで「起爆剤」という言葉を見かけるけれど、たいていは「起爆剤になるだろう」とか「起爆剤になればいいな」というような、予想とか希望ばかりで、それがきっかけで目覚ましい発展が実現した、という例はあまりないのではないかと思う。きちんと追跡調査したわけではないので、単なる憶測に過ぎない、と言われればそれまでなのだが。
鉄道関係でもう一件。

同駅前ではこの日夕、橋川渉市長や市職員らが決定を知らせるチラシ約2千枚を利用客に配布し、利便性の向上をPRした。新快速停車を公約に掲げていた橋川市長は「市の発展の起爆剤にしたい。公共交通の整備を進め、より便利なまちづくりに努めたい」と話した。

大東エンタープライズの社長や草津市の市長が本当に記者の取材に対して「起爆剤」という言葉を使ってコメントしたのかどうかも疑問だが、それはまた別の話。

*1:現在の駅名は「船小屋」。九州新幹線開通とともに移設のうえ改名することとなっている。