捕食者飽食仮説

Mastingとは

樹木には種子生産量に年次変動が大きい種が存在することが知られており、マスティング(masting)とか、mast seedingなどと呼ばれています。

捕食者飽食仮説とは

捕食者飽食仮説は、masting現象の究極要因のひとつであり、「種子が非常に少ない年をつくることによって捕食者の密度を下げておき,翌年たくさんの種子を生産すると,捕食者の増加率が追いつかないために捕食から逃れて健全な種子をたくさん残すことができる」というものです。

この仮説がもし成立するなら、次のようにも言えるのではないか。「種子が非常に多い年を作ることによって捕食者の栄養状態を高めておき、翌年にその反動で種子が少なくなると、繁殖しすぎた捕食者が共倒れで餓死するためにその個体数を減らすことができる」と。
一見すると逆のことを言っているように思うかもしれないが、これは一連のサイクルをどう切り取って表現するかだけの違いだ……と思うが違ったらごめん。
さて、種子が非常に少ない年に、物事の道理をよく弁えていない輩が「緊急避難」と称して捕食者に食料を供給して餓死を阻止すれば、この戦略はあえなく潰えることとなる。
森のドングリさんたち、可哀想に。