思いつきを形にするには勉強しなければならない

また変なことを思いついた。
「動物の権利」という考え方がある。「アニマル・ライツ」とも言う。また「・」を抜いて「アニマルライツ」と書くこともある。もしかしたら若干のニュアンスの違いがあるかもしれないが、よくは知らない。ここでは、最も意味論的透明性が高いと思われる「動物の権利」を用いる。
さて、思いついた変なことというのはこうだ。現実の人間は雑食動物だが、もし人間が肉食動物だったなら動物の権利という考え方はどういう形で展開されただろうか? また、逆に人間が草食動物だったならどうだろうか?
この思いつきを筋道立てて展開することができれば、本を1冊くらい書けるかもしれない。しかし、本を書くためにはかなり勉強しなければならない。少なくとも動物の権利を主張する人々の主要な論点について十分理解しておかなくてはならない。また、動物の食性についての幅広い知識も必要だろう。
そして、もうひとつ。
「もし人間が肉食動物だったなら」というような反実仮想は矛盾を含んでいないか検討する必要がある。現実世界と限りなく類似しているが、ふだん食べるもののほとんど、或いはすべてが動物性の食物であるような人々が住まうような可能世界を想像することができるだろうか? できそうな気がする。だが、その世界の人々は本当に「人間」と呼ばれる生き物なのか? これはよくわからない。
そういうことを考えているうちに意気消沈してしまった。
思いつきを形にするには勉強しなければならない。しかし、それに必要な時間の余裕もなければ心の余裕もない。あるのはこのような雑文を書く程度の余裕だけ。