学術研究の目的、鳥獣の保護又は管理の目的(略)で鳥獣の捕獲等又は鳥類の卵の採取等をしようとする者は、(略)都道府県知事の許可を受けなければならない。

今日の見出しは、今年5月30日に可決成立した鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律の一部を改正する法律案による改正後の鳥獣保護法*1第9条第1項から。
さて、こんな文章を読んだ。

記事の内容には全く異存はない。わかりやすく啓発的な良記事だと思う。
ちょっと気になったのは、はてなブックマーク - 可哀想でも……いらぬお世話の誤認保護(dragoner) - 個人 - Yahoo!ニュースの次のコメント。

最寄の里山まで数キロの住宅街で皮膚病でぼろぼろで歩行不能になるまで弱った仔ダヌキを拾ったことがあるから言うが、保護しなきゃならん場合もある。ちなみに、横浜ズーラシアはタヌキの「拾得物」受付けてくれる。

病気の仔ダヌキは傷病鳥獣なので、単なる幼獣の保護とは法的な位置づけが少し違うのだが、それにしても勝手に「保護」すると違法になる。「いちいち、許可を得ている間がないよ〜」と思われるかもしれないが、多くの都道府県ではそんなこともあろうかと鳥獣行政保護担当職員や鳥獣保護員に対して予め傷病鳥獣保護のための捕獲許可を出しているので、まずは役所に連絡するのがよい。
それはともかく、皮膚病のタヌキというのは困った存在だ。疥癬の場合が多いのだが、これは感染症であり、人にもうつることがある。当然、ペットにも感染リスクがあるわけで、「保護」したタヌキを動物病院などに持ち込んでも対応に困ることが多い。
いくつか参考リンク*2

それはともかく、「ちなみに、横浜ズーラシアはタヌキの「拾得物」受付けてくれる。」という箇所にはちょっと驚いた。
そこでよこはま動物園ズーラシア公式サイトから関連する記事を調べてみると、次のように書かれていた。

ふたつのリンク先をよく読んでいただきたい。原則として鳥獣は「保護」せずそのままにしておくべきであるということと、傷病鳥獣の場合であってもまず相談・問い合わせをしてからの話であることが書かれている。「ズーラシアだったらタヌキを引き取ってくれる」などと安直に思わないように。

*1:現行法の題名は「鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律」であるが、改正法施行後は「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」となる。「狩猟法」から「鳥獣保護及狩猟ニ関スル法律」を経て、題名改正のたびにどんどん長くなっていくのが気になるところだ。

*2:「皮膚病 タヌキ」で検索して上位にヒットした記事の中から適当に選んだものなので、内容の保証はできないが、ざっと見たところではさほど変なことは書いていないようだ。