支倉凍砂の30冊
別にこれからファンタジー系の小説を書きたいと思っているわけではないが、本のリストを見かけると興味を惹かれる。
そういえばここ数日の飲み会の席で二度ほど、「お前はどのくらい資料読んでいるんだ」と聞かれましたが、私の場合は30冊くらいかなあと思います。
あまり多くないです。
ちなみにデビュー前の、応募原稿を書いたときに読んだ資料のリストがあったので張っておきます。
ここを見に来る人でいるのかどうかわかりませんが、これからファンタジー系の小説を書きたいなあと思っているけれども資料をどれ選んだらいいかわからないよ!、というかたは参考にどうぞ。
ちなみに絶版とかまったく気にしてないです。
以下、引用もとで記載されている順に、「はまぞう」のリンクを張っておく。画像リンクは重いのでテキストリンクのみ。
- 『金と香辛料―中世における実業家の誕生』
- 『北の十字軍 (講談社選書メチエ)』
- 『ドイツ中世後期の世界―ドイツ騎士修道会史の研究』
- 『中世の星の下で (ちくま文庫)』
- 『中世ヨーロッパ生活誌〈1〉』
- 『中世ヨーロッパ生活誌〈2〉』
- 『ドイツ傭兵(ランツクネヒト)の文化史―中世末期のサブカルチャー/非国家組織の生態誌』
- 『天使のような修道士たち―修道院と中世社会に対するその意味』
- 『中世都市と暴力』
- 『神に問う―中世における秩序・正義・神判』
- 『中世の迷信』
- 『中世ヨーロッパに見る異文化接触』
- 『中世の人間―ヨーロッパ人の精神構造と創造力 (叢書・ウニベルシタス)』
- 『中世ハンザ都市の研究―ドイツ中世都市の社会経済構造と商業』
- 『詩人としてのイエス』*1
- 『神に問う』*2
- 『魔女狩りと悪魔学』
- 『ヨーロッパの黒死病―大ペストと中世ヨーロッパの終焉』
- 『中世の裏社会―その虚像と実像』
- 『中世後期のドイツ文化―1250年から1500年まで』*3
- 『ハンザの経済史的研究』*4
- 『キリスト教の歴史 (講談社学術文庫)』
う〜ん、2巻本や重複分を含んでも30冊に届かない。
こう言われるとかえって気になる。「教えたくない」ということは、きっと『狼と香辛料』の核心に触れるような情報が「意図的に外している本」に書かれているのではないだろうか。それをどうにかして見つけ出せれば……というようなことを考えたのだが、あいにくヨーロッパ中世史に詳しいわけではないので、隠された本の正体が何なのかはわからない。
なお、意図的に外している本とかあります。
教えたくない本とかありますので!
ただ、このリストを見て気づいたことがある。中世を扱った本のうち、おそらく最も知られ、よく読まれているはずのものが、このリストには挙げられていないのだ。
今、いちばん入手しやすそうな版にリンクしたが、これ以外にも複数の出版社から訳本が出ている。中世関係の本を30冊も読んだ人が、これだけ避けて通るということも考えにくいので、『中世の秋』こそ「教えたくない本」なのではないかと推測するのだが如何? 自分で読んで確かめてみるのがいちばんだが、『金と香辛料』1冊で音を上げてしまったくらいだし、今は読書意欲が極度に低下しているところなので、この文章を読んで興味を惹かれた人*5に検証をお願いしたい。
さて。
いま引用した箇所に続いて、小説家志望の人への有益なアドヴァイスが書かれている。あまり引用ばかりだと著作権的に問題が生じるおそれがあるので、あとはリンク先にじかに当たってもらいたい。
これが実行できれば確かに有利な立場に立てるだろうが……でも、常人には難しいだろうなぁ。人間、無理なものは無理と諦めるのが大事だ。
*1:このタイトルの本は見あたらなかった。Googleで検索してもそれらしい本がない。
*2:なぜか同じ本が2回リストアップされている。
*3:今年出たばかりの『中世後期のドイツ文化―一二五〇年から一五〇〇年まで』のほうが入手しやすいと思うが、「応募原稿を書いたときに読んだ資料」ということなので、旧版のほうにリンクしておいた。
*4:「はまぞう」にデータがなかったので、別の書誌データにリンクした。
*5:そんな人いるのか、という気もしないでもないが、「長門有希の100冊」読破を目指している人もいるのだから、「支倉凍砂の30冊」に挑戦する人もこの広い大宇宙に全く誰一人いないとい言い切ることもできないのではないかもしれないと思いたい。