新しい曜日

「冥曜日」という曜日を考えた。「冥」は冥王星の「冥」だ。かつて惑星だったこの星の凋落を悼み、せめて暦の上だけでも天王星海王星を飛び越えて、太陽から土星に至る序列に位置づけたい、という意図だ。
もちろん、新しい曜日を提唱するからといって、七曜を八曜にしようというわけではない。一週間が8日になることは、社会生活に大きな混乱を招くことだろう。一週間は7日のままでいい。
ここで提案したいのは、冥曜日の挿入ではなく重ね合わせだ。たとえば、今日は土曜日だが、冥曜日を導入すれば、土曜・冥曜日となる。略記すれば(土・冥)だ。今でも(月・休)とか(水・祝)などといった表記はごく普通に見られるのだから、これまでの七曜と冥曜日との併記にもさほど違和感はないだろう。
もちろん、冥曜日と重ね合わせるのは土曜日に限るわけではない。他の曜日も等しく冥曜日であるべきだ。そうでなければ均衡を欠く。
一週間が日曜日から始まると考える人なら、週の始まりは日曜・冥曜日だ。
一週間の始まりが月曜日だと思う人にとっては、新しい週の最初の日は月曜・冥曜日となる。
いずれにせよ、一週間は必ず冥曜日から始まることになり、週の始まりについての主張の対立は大きく緩和されることになろう。これは、冥曜日導入の本旨ではないけれども、大きな副産物だといえる。
冥曜日にお風呂をたいて、冥曜日はお風呂に入り、テュリャ テュリャ テュリャ テュリャ テュリャ テュリャリャ テュリャ テュリャ テュリャ テュリャ リャ。
冥曜日に少年サンデーが出ても、これまでのように「誌名と曜日がずれてるよ!」と非難する人はいなくなるだろう。
冥曜日ラビは外出し、そして冥曜日ラビは寝坊した。
かくして一週間の7日すべて、毎日が冥曜日となるのだ。